【神代文字】
しばしば,日本に漢字が渡来する以前から存在したと主張されてきた文字。
対馬に伝わる日文 (ひふみ) を支持した,平田篤胤 (あつたね) の『神字日文伝』などが有名である。
しかし,現在では,その存在は否定されていて,その多くは朝鮮のハングルをもとにして 15世紀以後つくられたものとされている。
日本で、漢字渡来以前に古くから用いられていたという文字。
日文(ひふみ)・天名地鎮(あないち)・阿比留(あひる)などがある。
古来、神道家などの間にその存在が信じられてきたが、その多くは表音文字で、現在ではすべて後世の偽作とされる。
神代文字は47音ないし50音しか書き分けない。
奈良時代以前にまでさかのぼると,日本語の音節には〈いろは〉47文字では書き分けられない多くの音があり,それらは五十音図のうちには収められないところの音であった。
いろは歌や五十音図だけでは示しきれないところの音が上代にはあったのである。
これらを〈万葉仮名〉ではちゃんと書き分けてその区別を守っている以上,もし神代文字が本当に〈かな〉以前のものであったとすれば,
少なくとも,もっと多くの字体がなければならないのに,いわゆる〈変体仮名〉にあたるものさえなく,きわめて整然とした統一をもっているのである。
変体仮名とは、平仮名の異体字
たとえば、今は「ハ」(ha)と読む平仮名として「は」だけを使っているが、明治時代までは、様々な形を使っていた。
神代文字には異体字がなく、統一された字体による新聞・雑誌の普及された近代以後のように47音ないし50音と統一されている。